DLsiteとFANZAにおける作品販売数の統計調査。中央値はだいたい120本

投稿日:2026-08-17

投稿サイト

note

Ci-en

DLチャンネル

1. はじめに

 これまで、DLsiteとFANZAの各カテゴリについて販売本数を調査してきました。

 ゲーム、マンガ、CG・イラスト、ボイス・ASMR、動画、ノベルでは、それぞれ販売本数の分布や中央値に違いが見られました。しかし、各記事ではカテゴリごとの比較が中心だったため、「どのカテゴリが売れているのか」「DLsiteとFANZAにはどのような違いがあるのか」は分かりにくかったと思います。

 そこで本記事では、これまで調査したデータをまとめ、カテゴリ間および販売サイト間での比較を行います。

 なお、カテゴリによって調査日が異なるほか、FANZAでは5万作品までしか確認できないことやノベルカテゴリがないことによるデータの欠損があります。また、DLsiteとFANZAのカテゴリには少し違いがあります。

 本記事では取得できたデータの範囲で比較・分析を行っていることに注意してください。

2. ジャンルごとの販売傾向を比較する

2-1. カテゴリごとの作品数を比較する

 まずは、各カテゴリの作品数を比較してみます。

カテゴリDLsiteFANZAFANZA/DLsite
CG・イラスト185,880件101,277件約54%
マンガ166,506件141,798件約85%
ボイス・ASMR74,914件55,542件約74%
ゲーム37,754件29,836件約79%
動画・アニメ18,283件12,684件約69%
ノベル15,711件

 DLsiteでは、もっとも作品数が多いのはCG・イラストカテゴリで18万5,880件でした。次いでマンガが16万6,506件となっており、この2カテゴリだけで30万件以上の作品が登録されています。

 一方、ボイス・ASMR、ゲーム、動画、ノベルは作品数が大きく減少し、ボイス・ASMRは約7万5千件、ゲームは約3万8千件、動画やノベルは2万件未満となっています。

 FANZAについても傾向は概ね同様で、マンガ(コミック)が14万1,798件ともっとも多く、次いでCGが10万1,277件、ボイスが5万5,542件、ゲームが2万9,836件、動画が1万2,684件となっています。

 両サイトを比較すると、今回調査したすべてのカテゴリでDLsiteの作品数がFANZAを上回っていました。FANZA/DLsite比は、CG・イラストの約54%からマンガの約85%の間になります。

 まとめると、作品件数の多さは、CG・イラスト = マンガ > ボイス・ASMR > ゲーム > 動画 > ノベルの順になっています。そして、DLsiteの方がFANZAよりも活発に作品が登録されています。

 なお、ノベルについてはFANZAに対応するカテゴリが存在しないため、本記事では比較対象から除外しています。

2-2. 中央値を比較する

 まず、各カテゴリの中央値を比較してみます。

カテゴリDLsiteFANZA
CG・イラスト86不明(49%で140)
マンガ137不明(35%で480)
ボイス・ASMR418119
ゲーム403128
動画11551
ノベル16

 中央値は、販売本数順に並べた際の真ん中の値になります。つまり、「半数(50%)の作品がこの販売本数以下」という意味になる指標です。

 DLsiteでは、ボイス・ASMRとゲームが400本を超えており、他カテゴリより一段高い結果となっています。マンガと動画は120本前後、CGは少し低い86本、ノベルは16本となっており、カテゴリごとの差は大きいです。

 一方、FANZAは取得できたカテゴリでは、動画を除いてほぼ120本前後で横並びになっており、あまり差はありません。

 DLsiteとFANZAを比較すると、CG・イラストを除いたすべてのカテゴリでDLsiteの方が販売本数が多いです。これは、FANZAよりもDLsiteの方が全体的に売れていることを意味します。

 中央値の意味からして、何万もの作品が登録されているのにもかかわらず、半数の作品は120本(あるいは400本)以下しか売れていません。

 ちょっとお金の計算をしてみましょう。作品を1000円で販売し(ちょっと高い気もしますが)、20%の割引をします。売上のだいたい半分を販売サイトに支払うので1つにつき400円が手元に入ってきます。そして、中央値が120本だとすると総売上は4万5千円になります。  つまり、半数の作品が5万円以下の収益しか得られていない計算になります。まあ、厳しい世界です。

 販売本数が万を超える作品は目につき、比較してしまいがちです。しかし、120本(400本)という数字は、登録作品の半分よりも売れたことを意味しており、それは十分に誇っていい実績です。

 また、慰めになるかは分かりませんが、みんなあまり売れていないわけです。自分の作品が売れなかったとショックを受ける前に、周りを見回してみるのも大事です。実のところ、案外周りも売れていないわけです。そう考えると、販売本数が低くともそこまで思いつめる必要はないのではないでしょうか。

 さらに、視点を変えてみると、120本(400本)という数字は良い目標ではないでしょうか。数的には30人クラス4つ分 = 1学年分の人間にご購入頂ければ上位50%に入れるわけです。……大変ですね。大変ですが、バズらなくても地道にやれば手が届きそうな数字ではあります。

2-3. 100本以上売れる作品の割合

 100本以上販売されている作品の割合を比較します。

カテゴリDLsiteFANZA
CG・イラスト47%不明
マンガ56%不明
ボイス・ASMR75%54%
ゲーム72%55%
動画53%40%
ノベル18.46%

 取得できた範囲では、DLsiteの方がFANZAよりも高い割合になっています。

 だいたい100本売れれば、上位50~75%に入ることが分かります。

 なお、ノベルカテゴリは100本以上が18.46%にとどまり、他カテゴリよりかなり低い結果となっています。

2-3. 1000本以上売れる作品の割合

 次に1000本以上を比較します。

カテゴリDLsiteFANZA
CG・イラスト8%15%
マンガ13%23%
ボイス・ASMR32%16%
ゲーム34%16%
動画14%9.8%
ノベル1.27%

 ゲーム、ボイス・ASMR、動画はDLsiteの方が高い割合になっていますが、マンガとCG・イラストはFANZAの方が高いです。

 だいたい1000本売れれば、上位10~35%に入ることが分かります。

 ノベルカテゴリは上澄みも上澄みですね。

2-4. 10,000本以上販売されている作品を比較する

 次に、10,000本以上販売されている作品の割合を比較してみます。

カテゴリDLsiteFANZA
CG・イラスト0.3%3%
マンガ0.85%5.2%
ボイス・ASMR2.3%3.9%
ゲーム4.8%2.4%
動画・アニメ1.0%1.2%
ノベル

 ゲーム以外はDLsiteよりもFANZAの方が高い割合になっています。

 だいたい1万本売れれば、上位1~5%に入ることが分かります。

 ノベルカテゴリは1万本売れた作品はありません。……市場が小さいことが分かります。

2-5. 売れない作品はどれくらいあるか

 販売本数0本の割合を比較します。

カテゴリDLsiteFANZA
ボイス・ASMR0.24%不明
ゲーム0.45%0.8%
動画0.75%1.6%
CG・イラスト0.9%不明
マンガ1.0%不明
ノベル11.53%

 ノベルだけが11.53%と突出しています。

 それ以外のカテゴリでは1%前後であり、多くの作品が少なくとも1本以上購入されています。

 また、ゲームと動画ではFANZAも比較できますが、どちらもDLsiteの方が0本作品の割合は低くなっています。

2-6. 最大販売本数を比較する

 最後に最大販売本数を比較します。

カテゴリDLsiteFANZA
CG・イラスト673,855301,189
マンガ393,620442,362
ボイス・ASMR395,096228,192
ゲーム247,691175,330
動画67,991255,318
ノベル6,584

 カテゴリによって傾向は異なります。

 DLsiteは、CG・イラストが圧倒的に多く(67万)、次いでボイス・ASMR(39万)とマンガ(39万作品)が並び、ゲーム(24万)、動画(6.7万)、ノベル(0.6万)と続きます。

 FANZAは、マンガ(44万)が一番多く、CG・イラスト(30万)、動画(25万)、ボイス・ASMR(22万)、ゲーム(17万)と続きます。

 注意すべき点として、最大販売本数は1作品のみのデータであり、市場全体については何も言えません。販売本数の上振れを把握しようという意図になります。

3. 全体として見えてきたこと

 今回調査したデータから、次のような傾向が見られました。

 まず、登録された作品件数の多さは、CG・イラスト = マンガ > ボイス・ASMR > ゲーム > 動画 > ノベルの順になっています。そして、DLsiteの方がFANZAよりも活発に作品が登録されていました。

 次に中央値は、だいたいのカテゴリ・販売サイトで120本前後でした。ただし、DLsiteでは、ボイス・ASMRとゲームは400本前後、CG・イラストは90本前後、ノベルは15本前後でした。また、FANZAの動画は50本前後でした。

 販売本数と位置づけは次のとおりです。 ・100本:上位5075% ・1000本:上位1035% ・10,000本:上位1~5%

 1本も売れていない作品は、ノベルを除いたすべてのカテゴリで1%前後でした。だいたいの作品が1冊は売れています。一方で、ノベルは11%の作品が販売本数が0でした。

 FANZAとDLsiteを比較すると、FANZAは10,000以上売れている割合が高い一方で、100本以上売れている割合は低いです。これは、上位作品はよく売れる一方で下位作品はあまり売れていないことを意味します。FANZAは定番商品を買う人が多い一方、DLsiteは販売本数の少ない作品にチャレンジする人が多いのではないかと推察します。

4. 感想

 いかがでしたでしょうか。筆者は、ほとんどのカテゴリの中央値が120本前後であり、あまり違いがないことに驚きました。また、プレイに時間のかかるであろうゲームの中央値が400本に届いていることにも驚かされました。

 今回、一連の調査を始めた理由は、筆者が作成したエロ小説同人誌を販売するにあたってどのくらいの期待値を持てばいいのだろうかという疑問を解消するためでした。

 結果として、ノベルカテゴリの中央値は16本であり、販売本数が0の作品も11%あるなどかなり厳しいマーケットだということが分かりました。

 とはいえ、1本売れればすごいし、20本売れたらロールケーキでお祝いだというハードルを自分の中で作れたのは良かったです。

 筆者はできるだけ投稿する場所の中央値を調べることにしています。

 やはり目につくのは販売数が万を超えた作品です。しかし、そこまで売れる作品はごく少数です。自分の作品がその仲間入りをする夢は持っていますが、その夢だけでは突きつけられた現実の販売数にへし折られることになるでしょう。

 そんなわけで、私はよく中央値を調査することにしています。目につく作品だけでなく、みんなはどのくらいなんだろうと調べることで、心の中のハードルを調整できます。今回の例で言えば、16人の方に買っていただけたら上位50%に入るわけです。

 小説家になろうの総合評価を調査した時もそうでしたが、中央値は思ったより低いです。残念ながら、みんな売れてないし評価されていないのです。

 中央値を知ることで、ごく僅かな人だけなく、上位50%の人は自分は結構評価されているのだなと思っていただきたいです。また、中央値に届かなかった方は中央値を目指すべき目標にしてみてはどうでしょうか。

 中央値を参考に、現実と自分に合ったハードルを設定して無理なく創作を続けていきたいところです。

5.宣伝

 今回の調査のきっかけとなった、筆者作のエロ小説同人誌が予告を開始しました。9.4日ごろの発売予定しています。チェックしていただけるとありがたいです。

・隠れ堕天使の甘い脅迫~清楚な学園アイドルの秘密を知ったのだが、向こうが18禁に持ち込んでくる~

学園一の美少女の秘密を知ったのだが、彼女は脅迫されたいようで……!?

DLsite

・共鳴する孤独~旅先で知り合った一見明るい写真好きな女子大生と温泉旅館でお泊りした件~

「おにーさんのこと持って帰りたいなあ」

DLsite