同人誌から商業出版へ――商業書籍『初心者のためのなろう小説API入門』を出しました

投稿日:2026-08-13

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はじめに

 2026年8月7日にインプレスNextPublishing様より、同人誌の内容をより充実させた書籍『初心者のためのなろう小説API入門 Pythonで作るデータ活用法』を発行しました。

 本書は、「小説家になろう」公式が用意しているAPIを使って、小説家になろうのデータを取得・分析する方法を解説した入門書です。

 たとえば、本書に掲載しているサンプルコードを使うことで、期間を指定して、その期間に投稿された小説のデータを取得できます。

 実際にこのコードを使って調査したところ、2024年度に投稿された短編小説の総合評価ポイントの中央値は10ptであることが分かりました。

 このように、小説家になろうに投稿されている大量の作品データを取得できるように、APIの解説を行うのが本書になります。

 イラストは、ゆめつきママ様に描いていただきました。

Amazon:https://amzn.asia/d/034MIRyA

インプレスNextPublishing 公式サイト:https://nextpublishing.jp/book/19731.html

小説家になろうの公式APIとは?

 小説家になろうでは、次の5つのAPIが用意されています。

・なろう小説API

・なろう小説ランキングAPI

・なろう殿堂入りAPI

・なろうユーザ検索API

・なろうR18小説API

 これらを利用することで、作品やランキング、ユーザーなど、さまざまなデータを取得できます。

 たとえば、なろう小説APIでは総合評価ポイントだけでなく、評価者数・文字数・挿絵の数・会話率など、作品に関するさまざまな情報を取得できます。

 ランキングAPIなら特定の日のランキング、殿堂入りAPIなら作品がどのランキングに掲載されたか、ユーザ検索APIなら作品投稿数やレビュー投稿数などを調べることができます。

 また、なろうR18小説APIを利用すれば、ノクターンノベルズ、ムーンライトノベルズ、ミッドナイトノベルズに投稿された作品のデータも取得できます。

 これらのAPIを使うことで、小説家になろうについて、サイトを眺めているだけでは分からないようなデータを自分で調べることができます。

 筆者自身もAPIを使って、総合評価ポイントの中央値を算出したり、自分の作品が相対的にどのくらい評価されているのかを調査しています。

 なお、小説家になろうではスクレイピングが利用規約で禁止されているため、データを取得する場合はAPIを利用することになります。

この本で何ができるのか?

 APIを使うためには、APIにアクセスするためのソースコードを書く必要があります。

 小説家になろうの公式サイトにはPHPによるサンプルコードが掲載されています。しかし、はじめてAPIを使う人にとっては、少しハードルがあります。

 そこで本書では、次の2点を重視しました。

・Pythonで解説する

・5つすべてのAPIにサンプルコードを用意する

 Pythonを使うことで、Google Colaboratoryを利用してAPIを実行できます。

 Google Colaboratoryは、ブラウザ上でPythonを実行するもので、Googleアカウントがあれば利用できます。面倒な環境構築やインストールをせずにPythonを実行できるのが魅力です。

 また、5つすべてのAPIについて解説とサンプルコードを用意しています。

 APIによって取得できるデータやパラメータが異なるため、それぞれの違いを理解しながら学べるようにしています。

 掲載されているソースコードは、そのまま実行するだけでなく、条件を変更して別の調査に利用することもできます。

同人誌版から何が変わったのか?

『初心者のためのなろう小説API入門』は、同人誌として頒布した『なろう小説API入門講座』を種本としています。

同人版のサイト:https://mandou-ao.com/doujin_items/doujin_item_narouAPI

 商業書籍化にあたって、同人誌版から、次のような変更を行いました。

・解説するAPIの追加

 なろう小説ランキングAPIとなろう殿堂入りAPIの項目を追加しました。

・ソースコードの難易度調整

 なろう小説APIのソースコードを増やし、新しく学習する項目を分割しました。これにより、学習曲線をなだらかにしています。

・紹介するソースコードの追加

 取得したデータをJSONファイルに出力するソースコードを追加しました。これにより、データの取得と分析を分けて行えるようにしています。

・2000件問題への対応を自動化

 一度に取得できる件数の制限により、2000件を超えるデータを取得する際には手動でパラメータを変更していました。これを自動で調整するように処理を変更しました。

・なろうR18小説APIのソースコードを変更

 掲載サイトを指定してデータを取得する形式から、全掲載サイトのデータを表示する形に変更しました。

 このように、同人誌版の内容をもとに、解説・ソースコード・機能の追加や改善を行っています。

 同人誌版をすでにお持ちの方にも、商業書籍版をオススメできる内容になったと胸を張って言えます。

同人誌から商業出版へ

 ここで、今回の商業出版に至った経緯について簡単に触れます。

『なろう小説API入門講座』は、2025年8月17日に開催されたコミックマーケット106ではじめて頒布しました。

 その後、2025年11月15日から開催された技術書典19にオンライン参加したところ、インプレスNextPublishing様に同人誌を目に留めていただき、お声がけをいただきました。

 それがきっかけとなり、商業出版につながりました。

 今回、充実した内容の本を作ることができてよかったです。また、オンリーイベントに参加することの大切さも認識できました。

おわりに

『初心者のためのなろう小説API入門 Pythonで作るデータ活用法』は、「小説家になろうのデータを自分で取得して、分析してみたい」という方に向けた本です。

 APIの使い方を一から調べて、各APIの仕様を確認し、取得したデータを分析できるところまで自分で作るのは、なかなか大変です。本書では、その労力を減らすために必要となる解説とサンプルコードをまとめています。

「小説家になろうのデータを使って、こんなことを調べてみたい」という方に役立ててもらえればと思います。

 ぜひ『初心者のためのなろう小説API入門 Pythonで作るデータ活用法』をご覧ください。

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インプレスNextPublishing 公式サイト:https://nextpublishing.jp/book/19731.html

 また、本書の発売を記念して、実際にAPIを使って小説家になろうのデータを分析した記事を投稿していく予定です。そちらもぜひご覧ください。お楽しみに!